Mission_07/フルーツ生産農家の熱い思いが込められたかき氷、「いちごのまんま」「白桃のまんま」とは!?
岡山の話題のスポットや、気になるモノなどを徹底調査! 『タウン情報おかやま』スタッフが実際に現地を訪問して、とっておきの情報をお届けするこの企画。
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岡山市東区西大寺にある『岡山フルーツ農園』は、「いちご」や「ぶどう」を栽培しているフルーツ生産農家で、毎年12月下旬から6月上旬は『いちご狩り』を、9月から10月は『シャインマスカット狩り』が楽しめ、家族連れなど多くの人でにぎわいます。その『岡山フルーツ農園』で、6月2日から「満点氷果」という「フルーツかき氷」の販売がスタートしたと聞きつけた我々取材班は、それが一体どんなかき氷かを確かめるべく、さっそく農園へと向かいました。
取材に訪れた数日前に今シーズンの「いちご狩り」は終わっていましたが、ビニールハウス内にはまだイチゴがたわわに実っていて、おいしそうな甘い香りが漂っています。
出迎えてくれたのは、『岡山フルーツ農園』の代表である高原弘雅さん。農園の中を案内してもらいながら、まず『岡山フルーツ農園』についてのお話を伺いました。「イチゴは、『あき姫』や『皆足姫』、『さがほのか』、『紅ほっぺなど』などの品種を年間約15トン栽培しています。ブドウは、『シャインマスカット』や『オーロラブラック』、『瀬戸ジャイアンツ』、『ピオーネ』などの品種を年間約10トン栽培していますね」。
何種類もあるイチゴのなかで「皆足姫」は、希少なブランド品種と聞いたのですが。「『皆足姫(みなたるひめ)』は、西大寺でイチゴを育てている若手農業者のグループで結成された『西大寺ストロベリーボーイズ』の8軒しか栽培することができない特別なイチゴです。圧倒的な香りのよさに加え、甘みと酸味のバランスがよいので、味がしっかり感じられますよ」。
取材当日には、農園の隣にある直売所『とれたて岡山産直マルシェ』で「皆足姫」が販売されていました。タイミングよく見つけることができたら、迷わずゲットしたほうがよさそうです。
さて、ここからが今回の本題です。「満点氷果」というフルーツかき氷の販売が始まったと聞いたのですが、いったいどのようなかき氷なんでしょうか?「いちごのまんま」「白桃のまんま」というネーミングから、果物を凍らせてすったものを想像していたのですが…。「いえ、単に果実を凍らせてすったものとか、生果をのせたかき氷ではありません。生果に近いというか、生果を想像させるような味を目指して作ったフルーツソースをかけたかき氷です」。
そのフルーツソースは特殊な技術をもっている岡山の地場のメーカーが作っているそうで、着色料や香料を使わずに香りや食感など、生果を想像させる仕上がりになったそうです。
「満点氷果」は、『とれたて岡山産直マルシェ』の横にあるスペースで提供されています。できあがりを待っている間に「満点氷果」という商品名の由来について聞いてみました。「これは、生果を連想する納得した味が表現できた=満点。生産者の思いをかき氷に表したことをお客様に評価してもらいたい=氷果。という思いが込められています。かき氷は冷たくて爽やかな食べ物ですが、込めている思いは熱いので、そういった意味では非常に暑苦しいかき氷かもしれません(笑)」。
その「生産者の思い」というのは、具体的にどういったものでしょうか?「イチゴをはじめ、生果というものは旬の時期にしかない、はかない食べ物です。これまでイチゴの加工品というと、イチゴっぽい色を付けて、香料で香り付けしている加工品が多かったのですが、それでは消費者側の満足度は上がりません。よい原料をよい加工品にしてシーズンオフに提供すれば、『加工品でもおいしいんだな』と思ってもらえます。加工品の価値やおいしさを上げることで、『生果も食べたいな』と思って頂いて、旬のシーズンに入るような流れにしたいとも思っています」。
我々取材班のかき氷への期待感がMAXになったところで、「白桃のまんま」が出来上がりました。雪のように細かいかき氷の頂上には白桃のコンポートがのっており、一番上の層には白桃ソース、二番目の層にカスタードソース、そして最後の層にまた白桃ソースがかかっているそうです。まず白桃のコンポートを口に運ぶと、口の中に全体に白桃の甘さが広がります。これはおいしい! 高原社長によると「岡山市一宮の若手桃農家が作っている白桃で、コンポートは『清水白桃』を使用し、白桃のはかない香りと味を強調しています」とのこと。食べ進めていくと層によって味が変わりますし、ソースが混ざり合うと違う味わいになり、最後まで飽きることなく食べられました。
「白桃のまんま」を食べ終わると「いちごのまんま」もできあがっていたので、間髪入れずに頂きました。頂上にはフレッシュ感のある非加熱の生ソースがかかっており、一番上の層にミルクソース、二番目の層にイチゴを濃縮したコンフィチュールソース、そして最後の層にまた生ソースがかかっているそうです。食べてみると、まるで濃厚な生のイチゴを食べているかのような感覚です。こんなかき氷は今まで食べたことありません。眉間が「キーン」となるのも構わず、一気に食べてしまいました。
「いちごのまんま」に使用しているイチゴは、『西大寺ストロベリーボーイズ』が作ったイチゴをはじめ、岡山県産のものを使用しているそうです。「岡山県産おいしいイチゴを使えば、お客さんに喜んで頂ける加工品ができますし、これまでパックに詰めて出荷することしか出来なかったシステムや文化も変えていきたいと思っています。『満点氷果』はその『第一歩となれば』という思いで作りました。フルーツを作っている生産農家が、あえて生果をのせていない理由がそこなのです。『満点氷果』は、見た目はシンプルかもしれませんが、ストーリー性はどこにも負けませんし、ここにはリアルがありますので、ぜひ産地に食べに来て頂きたいですね!」と高原社長は熱く語られました。そんな思いが込められた「満点氷果」、我々取材班の評価はもちろん「満点!」でした!
Information
岡山フルーツ農園
- 住所
- 岡山市東区西大寺門前545 [MAP]
- 電話番号
- 086-237-3900
- 営業時間
- 9:00~18:00
- 定休日
- なし
- HP
- https://www.okafuru.com/