※閉店しました。
『ベースがホワイトのラーメン』と聞いて想起するのは、九州系の白濁トンコツスープや、最近では鶏白湯あたりでしょうか? 白い木馬のことではないので。念のため!
「岡山市最大の激戦区」の呼び声高い、いわゆる「ラーメンストリート」に、「煮干しを使ったホワイトなラーメン」が誕生していたのを皆さんご存知ですか? 煮干しベースと聞くと和風でうどんのようなあっさりスープがイメージされますが、それだけでは何となくありふれた感じもします。真実を見極めようと、『煮干しラーメン和久井』へ単身、愛車(チャリンコ)を走らせたワタクシ。無事正体を突止めることは出来るのかしら?
お店に入って席に着くと一番に、未だ見たことがない「瓶」を発見!中に何か入っている。「これはね、頭とハラワタをとった煮干しと、ニンニク丸ごと一片です」。前触れもなく現れたのは、この店のオーナー氏。「それで香味油を作ったんですよ」。これは、インパクトがありますね。「ラーメンに入れると、香りに加えて、マイルドさとコクがプラスされるんですよ」。なんで、そんなに煮干しにこだわってるんですか?「食べ歩きが趣味でね。尼崎で無添加のラーメンにインスパイアされて、体に優しいラーメンを作りたいと思ったんです。それで、麺業支援の『大和製作所』で修行をしてね。おとなりの香川で」。香川と煮干し…。繋がったー、それで煮干しダシか!じゃあラーメン白いっちょ!
白…というか、若干薄茶色の気もしますが、「程よい香りの煮干しラーメン(白) 煮干しそば」680円。これがすべてのベースになっているとか。「何言ってんですか?丼は白いでしょ(笑)。スープももう1種との対比で白なんですよ」。もう1種とは?「パンチの利いた煮干しラーメン(黒) 極煮干そば」780円!なんと煮干しの量が4倍だそう。「岡山で無化調のお店が少ないと思ったので自分で作ってみたんです。豚骨ベースでロース骨を8時間煮るんですよ。それにコンブと数種類の節、そして大量の煮干しですね」。スープをすすると、魚が群れで襲ってくる幻覚をおぼえるほどに「魚感」がハンパないす。すげぇす。
これは?「月~金曜昼限定のランチセットAの『鶏胸肉の燻製』ですね」。燻製ですか?珍しいっすね。「実は、以前串焼き屋も経営していて、和ダシを取ることとか、肉の扱いには覚えがあるんです。いいお肉も手に入りますしね」。Aセットは、これにミニサラダが付いて、ラーメンに+220円というからこりゃお得だわ。そのほか、「砂肝の醤油漬け」380円など、酒のアテに出来そうなメニューもあるあたり、串焼屋での経験がしっかり機能していることが伺えます。使える才能は使わなきゃね!ちなみにこのオーナー。今は炭焼きビストロを経営していて、熟成肉を使った料理など、「ネオビストロ」を目指してるとか。「どんな食種でも『ネオ』が一番難しいよね」。納得。
そういえば、このお店は、例の「ラーメンストリート」で2番目に新しい店(エクスプロール時)。このエリアに乗り込んできた意気込みを聴かにゃ!「乗り込むという感じじゃないですよ。すでに豚骨とか、和風とかいろんなラーメン店があったから、そこに『煮干しラーメン』が加わると、いろんなカラーが出て面白いなと」。ほう、なんとも意識が高い!「この通りでイベントをしたりしたいですね。市街地の楽しみ方のひとつとして、大手スーパーやショッピングモールとともに、この通りが存在したらいい」。なるほど!
「ベースがホワイトなラーメン」とは、健康に気を遣い、天然素材にとことんこだわった、「程よい香りの煮干しラーメン」のことでした。魚介系好きの人にはたまらんす。マジで。
無添加・天然素材にこだわる、「煮干し」感満載の本格店!
天然素材にこだわって、スープは無添加のものばかりで作り出し、麺は2階にある製麺機で自家製麺。ストレートの中太麺は国産小麦使用だ。かえしに使うしょう油もアミノ酸や保存料の入ってないものを使うほど、とにかくこだわっている一軒。煮干しへのこだわりも半端ではなく、すべて頭とハラワタを取り出して苦味や臭みを抑え、イケメン店長が一杯一杯丹念に、上品な味に仕上げている。和風を強調させる木目が映える店内は落ち着いた空間で、カウンターとテーブル席がスタンバイ。ランチセットや一品メニューもあり、昼・夜ともに便利に使い分けることが出来る。いわゆる「ラーメンストリート」に現れた、新たなる実力店だと言えるだろう。体に染み渡る優しい味わいだ。
Information
煮干しそば 和久井
- 住所
- 岡山市北区下石井2-9-51
- 電話番号
- 086-206-3253
- 営業時間
- 11:30~15:00/18:00~21:00 ※日曜、祝日は11:30~20:00、いずれもスープがなくなり次第終了
- 休み
- 土曜
- 席数
- 18席
- 駐車場
- なし