杉や桧、モミジなどの木々が生い茂る静寂な園内。苔生す庭石が彩をなし、ふるさとの祖母の家に帰った時のような寛ぎに包まれる。美しいこの園は、「知恵と工夫を凝らした田舎の暮らしが、現代にも通じる『ほんまもん』ではないでしょうか」という園主の思いがそのまま形になっているよう。「自分たちの知恵や工夫で暮らしを営む、田舎のよさを伝えていきたい」と、現在の園主・寺谷節子さん（70歳）のご主人が、山を拓き開園したのは50年前。その魅力にひかれて、築150年の古民家には、都会から大勢の人が足を運んでいる。茅葺の古民家のほかにも10棟の庵が点在する。料理は、季節の山菜を中心とした優しい味わいの手作りの家庭料理(写真は「杉」)で、食事メニューは、「竹」2700円、「杉」3996円、「桧」5940円の3種類。いずれも11：00～14：30で、3日前までに要予約。化学調味料は用いず、豆腐やみそ、コンニャクは自家製、シイタケも自家栽培している。ヤマメは、店の前にある生簀から揚げてすぐ焼くという新鮮さで、どの皿からも深い滋味があふれている。優しい料理と同じく、笑顔で温かく迎えてくれるスタッフのもてなしが心地よい。

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