おかやまの病院2021[全県版]

かかりつけの病院、あなたにはありますか? 日々の暮らしのなかで突然襲ってくる、病気や事故。いざというときに頼りになる病院や先生がいると、万が一のときにも安心です。でも意外と地元の病院の情報を知らない方も多いのではないでしょうか。『月刊タウン情報おかやま』が地元「岡山」にこだわり、医療情報をまとめました。いざというときのため、お役に立てれば幸いです。


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クローズアップ近年注目されている手術や治療などにフォーカス。大森クリニック下肢静脈瘤とは?一般的な症状と治療法。142脚の血管がボコボコとふくらんだりクモの巣状に浮き上がる「下肢静脈瘤」。心臓から駆出された動脈血は酸素と栄養素を四肢の末端まで供給したあと、静脈血となり重力に逆らって心臓に戻っていくのだが、その際に血液の逆流を防ぐ静脈の弁が正常に機能しなくなり、血液が逆流することがある。それが原因で、脚の静脈に圧力がかかって下肢静脈瘤が発症するとされる。長時間の立ち仕事をする人や、妊娠・出産を経験した成人女性に多く見られるほか、加齢や遺伝、肥満も危険因子にあげられる脚の血管の病気だ。きわめて一般的な良性の疾患で、生命の危機にかかわることは少ないため、放置したままの人も少なくないのだそう。しかし、静脈瘤は自然に治癒することがなく重症化する恐れも。外見の変化のほか、下肢がむくんだり、だるさや痛みを感じ、ときにはふくらはぎの筋肉がけいれんを起こすようなことも。かゆみをともなった湿疹や、ひどくなると皮膚が黒く変色したり、静脈瘤の中の血液が突然固まって炎症を起こしたり、さらには皮膚が栄養障害を起こして皮膚壊死・潰瘍、場合によっては血栓症を発症する場合もある。「自覚症状のある場合はちゅうちょせず、まずは専門医療機関で下肢静脈エコー検査を受けられることをおすすめします。10分程度の簡単で痛みの少ない検査で血栓や逆流している原因血管を特定し、状態によって適切な治療法を提案します」と、大森院長は早期の検査と治療を提唱する。かつては入院が必要で手術後も痛みがあったため、いまだに下肢静脈瘤の治療に対してハードルの高い人もいるのでは。現在の治療法としては、皮膚切開を行わないレーザー治療による日帰り手術が主流。局部麻酔のうえ、静脈内にボールペンの芯ほどの太さのレーザーファイバーを挿入し、弁が壊れて拡張した静脈を血管の内側からレーザーで焼き縮めて血液の逆流を止めていく術式だ。個人差はあるが、手術時間は約30分で縮んで固まった静脈は半年から1年ほどで体内に吸収されていく。皮下出血や痛み、神経障害などの合併症も少なく、従来の外科手術に比べて体への負担も軽いのが特長。血管径が太すぎる場合や蛇行の強い血管の場合、血管が皮膚の直下を走行しておりレーザー治療では色素沈着が危惧される場合などには、静脈を直接抜去するストリッピング手術を選択する場合も。ほかにも、2ミリほどの切開創により直接コブ(静脈瘤)を除去する「瘤切除」や血管に硬化剤を注入する「硬化療法」など、血管の状態に合わせて治療法を選択できる。最近では、医療用接着剤を使い血管内をふさいで逆流を止める「グルー治療」も。まずは医師としっかり相談して、適切な治療法を選択することが大切だ。また、むくみや静脈瘤にともなう症状を軽くしたり、発症・再発を予防するためには、「弾性ストッキング」の着用がおすすめ。高い圧のかかるストッキングで表在静脈を圧迫して、静脈瘤の増悪を防ぐのだそう。根本的な治療法ではないが、適切な圧・サイズを選ぶことで高い効果が期待できる。下肢静脈瘤の治療は比較的負担が少なく、その方法もさまざま。原因や症状がわかれば決してハードルの高い病気ではないことがわかったのではないだろうか。大森院長はこうも話す。「何か症状があれば、まずは検査をしてみましょう。脚のむくみや痛み、しびれ、かゆみなどの症状は静脈瘤があるせいだと自己判断して放っておくのは危険です。実は動脈の病気や膠原病、脊柱管狭窄症、皮膚病など、下肢静脈瘤と似たような症状でも、別の病を発症しているケースも少なくありません。今ある症状の原因はどこにあるのか、簡単な検査でわかります。症状が軽いうちに、気軽に相談に来てください」。脚の静脈弁が壊れることで血液が逆流。重症化の恐れも。レーザー機器を用いた日帰り治療が効果的。脚の異常で検査をすると、別の疾病がわかることも。1996年に日本医科大学医学部卒業後、心臓血管・呼吸器・内分泌外科へ入局。循環器疾患や末梢血管治療に従事。特に下肢静脈瘤手術の執刀経験が豊富。2013年には同附属病院皮膚科へ入局。患者に寄り添ったていねいな診療を心がける。大森裕也院長おおもりひろや9:00〜13:0015:00〜18:30診療時間\曜日月火水木金土日●●●▲●●×●●●▲●▲×※木曜と土曜の午後は手術日※祝日は休診1086-222-6369岡山市中山下1-6-18p17台https://ohmori-heart.com/医療法人博優会大森クリニックおおもりエリア診療科目循環器内科/皮膚科/外科岡山市北区キッズスペース有り皮膚科疾患や循環器疾患を中心に、地域密着の医療を目指す『大森クリニック』。特に下肢静脈瘤の日帰り治療に力を注いでいる下肢静脈瘤は放置しないで、簡単な検査と早期の治療を。第2の心臓ともいわれる「脚」に関する疾患のひとつ「下肢静脈瘤」。良性疾患であり致命的となることは少ないが、自然に治癒することもないため重症化するケースも。早めの治療を。桃太郎大通り表町商店街柳川岡山中央郵便局NTTクレド岡山ビル岡山ロッツ岡山天満屋↓岡山駅トマト銀行県庁通り東中山下公園超音波検査などの簡易な検査で静脈の逆流・拡張・血栓の有無等をチェックできるので、気になる症状があれば、まずは気軽に相談を


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