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30〜40歳代を中心に、女性に多く発症する病気です。「リウマチ?」と聞くとイコール「高齢者の病気」と思う人が多いようですが、実際には早ければ10歳未満でも発症し、ピークは40歳代、20〜30歳代はなんと全体の3割以上を占めています。しかも患者の9割が女性という事実…。原因はまだ詳しく分かっていませんが、免疫の病気であることは確か。女性に発症しやすいのは、ホルモンバランスや染色体の影響ではないかと考えられています。妊娠・出産をきっかけに発症する患者さんが多いのもそのためです。放っておくといずれ手首が曲がらなくなったり、さらに進行すると変形して関節の機能が失われる恐れがあります。関節の腫れが全く認められない時期でも、関節内では既に強い炎症を起こしていることがあります。そのためリウマチの早期診断には関節超音波検査が有用となります。ただし、他の膠原病や、悪性腫瘍・感染症に関連して関節炎が発症することもありますので、診断には注意が必要です。専門の医師による適切な治療で今まで通りの生活をキープ。「リウマチは予防できるか?」と言えば現実的には難しいのが実情です。ただ発症しても適切な治療を受ければ、仕事や家事も今まで通り続けることができます。関節リウマチの呼吸器合併症として、気管支拡張症や細気管支炎、間質性肺炎を併発することは少なくありません。また、リウマチ患者さんは呼吸器感染症にかかりやすいことが知られています。治療を安全に遂行するためには、呼吸器合併症を適切に評価して治療介入を行なうことが重要です。後悔しないためにも、まずは「自分にも起こりうる病気」と認識し、不安があればぜひ専門の医師にご相談ください。複数の病院を受診してセカンドオピニオンを取得するのも有効です。川崎医科大学リウマチ・膠原病学教授守田吉孝先生大切な誰かのために…正しい診断・適切な治療。