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つまんない映画なんてない!

つまんない映画なんてない! vol.42

「映画ドラえもん」

  • 情報掲載日:2017.02.22
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

岡山メルパ 福武 孝之館長
映画業界20年、老舗映画館を切り盛りする名物館長。映画が持つ「観ることで、自分の世界が広がる」魅力を広めるべく、多彩なイベントを展開。ジャンルや制作者にこだわらない、テキトーな鑑賞が映画愛を高める秘訣。映画が好き過ぎて、あこがれのターミネーターに変身。特殊メイクがんばりました!

「映画ドラえもん」

春休みは毎年恒例の『映画ドラえもん』である。

映画業界の書き入れ時である春休みシーズンには、その年の大作が次々に公開される。しかし『映画ドラえもん』は並み居る強敵を抑え、毎年大ヒットし続けている。きっとこれには理由があるに違いない。ただ子どもに人気のあるアニメが映画になると言うだけで、この実績は説明できないのである。そこで私は今回、作品の上映時間に注目してみたのだ。

『映画ドラえもん』の尺(本編上映時間)は、毎作100分と決まっている。これは原作者の藤子・F・不二雄先生のこだわりで、劇場版のドラえもんのメッセージは100分ないと表現できないというのである。実はこの尺の長さが度々問題となっている。ドラえもんを観る対象の子どもたちが映画館で1時間40分間もおとなしく鑑賞できるだろうか?

子どもたちに伝えたいメッセージを表現するための時間が、逆に子どもたちの集中力の限界を超えてしまうのではないか!? そんな議論が幾度となく交わされたのだ。

そしてもうひとつ。映画館も商売である。回転率を考えると映画は短ければ短いほど儲かるのである。(上映時間が短いからといって料金は変わらない)
ほかの子ども向け映画が軒並み80~90分程度に対し、ドラえもんだけは100分なのだ。
たいした違いだと思わないかもしれないが、これが大いに売上に影響するのである。
こんな事情から『映画ドラえもん』の尺は何度も短くしてほしいという意見が出たのである。

しかし、ドラえもんは100分を守り続けている!!!
これはスゴイことなのである! 子どもたちを100分間飽きさせない内容と、ほかの作品より回転率の悪い商売を補って余りある集客力がある。しかも36年も続けているのだ!
つまりこれは、ほかの作品では到底真似できない高品質であることが証明されているのである。

しばしば“大人が観ても楽しめます”という宣伝文句があるが、そのほとんどがウソである。子ども向けは子どものために作られていて、決して大人を楽しませるつもりで作っているのではない。ちなみに“子どもだまし”というジャンルは論外である。(最もダマせない観客が子どもである)
しかし稀に子どもへの熱いメッセージで作られた作品が大人の心を動かすことがある。
それが『映画ドラえもん』なのだ。

ドラえもんの品質の高さは、大人も認めるもので、親から子へ脈々と受け継がれているのだ。だからドラえもんは子どもが観たいだけでなく、親が子どもに見せたい映画なのである。『映画ドラえもん』ヒットの理由は秘密道具でもしずかちゃんの入浴シーンでもない。
ほかの作品には絶対にまねできない“質”なのだ。

ちなみにこの春の新作の主題歌は平井堅さんの楽曲だ。作者たちも、もう子どもだけのものじゃないことは分かっているではないか!(笑)


<公開情報>

『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』
原作:藤子・F・不二雄
監督・脚本:高橋敦史
声の出演:水田わさび(ドラえもん)、大原めぐみ(のび太)、かかずゆみ(しずか)、木村昴(ジャイアン)、関智一(スネ夫)、千秋(ドラミ)
主題歌:平井堅『僕の心をつくってよ』
3月4日(土)岡山メルパほかROADSHOW!!

岡山メルパ館長 福武孝之

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