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つまんない映画なんてない!

つまんない映画なんてない! vol.38

「2016年映画反省会」

  • 情報掲載日:2016.12.28
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

岡山メルパ 福武 孝之館長
映画業界20年、老舗映画館を切り盛りする名物館長。映画が持つ「観ることで、自分の世界が広がる」魅力を広めるべく、多彩なイベントを展開。ジャンルや制作者にこだわらない、テキトーな鑑賞が映画愛を高める秘訣。映画が好き過ぎて、あこがれのターミネーターに変身。特殊メイクがんばりました!

「2016年映画反省会」

2016年の№1メガヒットと言えば『君の名は。』である。ゲス不倫が相次ぐ今年、真逆の純恋愛王道エンターテインメントが大ヒットしたのも理解できる。

そして次に名が上がるのは『シン・ゴジラ』だろう。間違いなく2016年を代表する映画はこの2本である。『シン・ゴジラ』の“シン”は“新”と“神”の2つの意味がかかっているらしい。道理で神ってる大ヒットになるわけだ。

また洋画ならマット・デイモンの『オデッセイ』が素晴らしかった。邦画の様に聖地巡礼とはいかないが、まるで自分が火星に行った気になったではないか!

他にも良い作品はあるのだが、このコラムでは残念な作品に注目しなければいけない。なぜなら「つまらない映画なんてない!」というコラムだから・・・(汗)

そもそも「期待外れだった!」という事は、裏を返せば「期待していた。」ということである。
ありがたいことではないか『テラフォーマーズ』!
また今までのシリーズが面白すぎて、今回はそれ程でもないと感じてしまったというパターンもあるだろう『X-MEN アポカリプス』!
くよくよするなよ『X‐ミッション』!

いずれ劣らぬ話題となった作品だが、酷評されるということは鑑賞して頂いたということである。一見マイナスに見える評価も実はプラスの面もあるマイナス金利と同じである。観る人の立場によっては名作の可能性もある。

お正月は家族そろってコタツでトランプもいいが、思い切ってつまらなそうな映画にあえて出かける冒険はどうだろう!? 思わぬ儲け物に出逢えた時の感動はひとしおである。そうだ!モーケモンを探しにGOだ!(だんだん苦しくなってきたぞっ)

これは持論だが、映画の醍醐味のひとつは、鑑賞後の文句である。
文句の言えない完璧な映画はちょっと寂しいではないか。誰かが一生懸命に作った作品に文句を言える。そんなことが我々の日常のストレスを少しだけ解消してくれるのかもしれない。

保育園に落ちたお母さんも、アモーレにフラれた青年も、つまらないことを恐れずに、今までの自分なら絶対に観ないという映画を選んでみてはどうだ!
そして案の定、つまらなかったら思いっきり文句を叫ぶのである!

私の経験上、これが意外と楽しい。
むしろ叫ぶために、あえてヤバそうな映画を観たいくらいだ!
映画は名作よりも迷作の方が心に残る。
どうだろう、皆さんもこのお正月は心に残る1本を観たくなったのではないだろうか。

と言いつつ、こんなコラムを書いている私自身が次の獲物を期待してしまっている。
日本では映画の公開日はだいたい土曜日である。
ワクワク盛り上がる映画の初日を業界専門用語で「盛り土」と呼んでいる(ウソ)

こうなって来ると、つまらない新作の公開が待ち遠しい。きっと製作したスタッフは身を削って作ったのだろうが容赦はしない。特にアシスタント・プロデューサーあたりはお腹を下すほど苦労しただろう。しかし出来上がった映画は製作者の物ではなく、鑑賞者の物なのである。
思いっきり文句を言おうと鑑賞した映画が、人生の1本になった私が言うのだから間違いない。

以上、2016年映画反省会と流行語トップ10でした。


岡山メルパ館長 福武孝之

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