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医療にかける熱い想いを聞きました。ドクターインタビュー太田病院何でも話せて頼りになる、「町のお医者さん」でありたい。医療法人緑隆会太田病院おおたとおる太田徹院長Profile日本糖尿病学会糖尿病専門医、日本内科学会総合内科専門医。岡山医療センター糖尿病・代謝内科を経て2017年より常勤医師として『太田病院』に勤務、2019年より現職。堅苦しさのないわかりやすい診察を行い、明るい言葉がけで前向きに治療に臨めるよう導く。健康維持のために特に食事を大切にしてほしいとの思いから、新見市民公開講座などでの講演も行っている。プライベートでは3児の父。患者に合わせた食事を、院長自ら丁寧に指導。1930年よりJR新見駅前の地に建物を構え、内科単科病院として地域の医療に貢献してきた『太田病院』。生活習慣病などの慢性疾患を中心とした外来診療と、地域包括ケア病棟での急性期以後の患者の受け入れを行っている。ここで、父の跡を継ぎ2019年から院長を務めているのが太田徹氏だ。太田院長は一貫して、自身の存在を「町のお医者さん」であるという。「地域の方々がちょっと体の調子の悪いときに、最初に相談しようと思えるところでありたいですね。難しい病気は大きな病院にお任せするので、うちではまず、体に今どういうエラーが起こっているのか、それを改善するにはどうすればいいのか、わかりやすくかみ砕いて話をすることに重きを置いています」。特に自身の専門とする糖尿病は、食事療法が治療の大きなウェイトを占めるため、食事についての説明・指導にはとりわけ力を注ぐ。一般的に栄養指導は管理栄養士などの専門スタッフに任せる場合が多いが、同院では太田院長自ら責任をもって、患者それぞれの症状に合わせた適切な食事の摂り方を指導しており、その点が同院の大きな特長となっている。「杓子定規に『こんな食事はダメです、こんな食事にしてください』といわれても、個人の食習慣というのはそう簡単に変えられるものではないですよね。日頃から患者さんを見ている私自身が、症状はもちろん普段の生活の様子や体重、血圧の推移まで把握したうえで、その方に本当に必要な改善点だけをお伝えします。だからこそ、患者さんも『この先生のいうことなら聞いてみようかな』という気持ちになれるのではないでしょうか」。長く元気でいるために、できる限り食べてほしい。症状が重く、一刻も早く状態を改善しなくてはいけない患者には、食事の内容や量を厳密に決めて守ってもらうが、そうでない患者には自己管理に任せることを基本とする。太田院長は体重や血圧の変化を見守り、悪い方向に向かっているときにだけアドバイスをして、微調整を図る役割に徹する。こうした最低限の食事指導にとどめる理由は、患者の心理に寄り添うことに加え、むやみなカロリー制限を避けたいという意識もあるという。「専門の医師としては矛盾しているかもしれませんが、私は糖尿病患者さんにも『私が責任をもつので、食べられる限りはしっかり食べましょう』と話しているんです。食べなければ脂肪とともに筋肉が落ち、結果的に体が弱って転倒や寝たきりにもつながってしまいますからね」と話す。たくさんの情報があふれる時代だからこそ、正しい医療情報、正しい食事の摂り方を伝えることに使命感をもち、講演なども時間の許す限り引き受ける。「特に栄養学については、岡山の医師のなかでも一番勉強していると自負していますよ。ですが話を聞いてもらうためには、知識をつけることと同時に、患者さんとの間に信頼関係を築くことがとても重要です。日頃から『調子はどう?』『困っていることはないですか?』と気軽に声をかけ、何でも話してもらえる雰囲気を作っています」。適切な治療を行い、早く元気になってもらいたいとの真摯な思いから、診察室では多くの時間をかけ、熱意をもって話をする。患者一人ひとりに本気で向き合おうとする姿勢に触れ、それゆえ全幅の信頼を寄せて頼りにする患者も多いのだろう。太田院長とスタッフたち。わいわいと和やかな会話が飛び交う様子から、院内の雰囲気のよさが伝わってくるおおたびょういん医療法人緑隆会太田病院10867-72-0214新見市西方426p32台診療時間\曜日9:00〜12:0013:30〜17:30月●●火●●水●×木●●金●●土●×日××※祝日は休診※受付は月・火・木・金曜は〜17:20、水・土曜は〜11:40新見市内科内科/糖尿病内科/循環器内科/呼吸器内科/血液内科/消化器内科エリア診療科目[公式HP]13